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ステーションワゴンを貨物登録して税金を安くしてみた

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    丸山 竜輝
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久しぶりの投稿ですが、最近はウェブ関係とはうって変わって車ばかりに現を抜かしております。
その関係で先日スバル レガシィ(3ナンバー)を貨物登録(1ナンバー)してきましたので、その方法等を書いていこうと思います。

Table of Contents

貨物登録とは

まず貨物登録とはなんぞやという話ですが、自動車検査証(車検証)に用途という項目があります。ここの項目を乗用から貨物に変更して適用される税区分を変更しようというものです。
詳細な税制度に関してはここでの説明は省きますが、今回貨物登録した車両では下記の通り税金が変わります。(旧の重量税, 自賠責は24ヶ月分を2で割っています。)

自動車税51,7508,800
重量税22,8008,200
自賠責8,82516,900
合計83,37533,900
差額0-49,475

上記の通りかなり安くなりますが、いくつかデメリットもあります。
大きなものだとETCの利用料金区分が普通から中型になり、料金があがります。ただこちらは年間差額5万円以上出るような使い方をしないかぎり問題はありません。もう一つが、車検が一年に一度になることです。こちらは年に一回検査手数料を払う費用が増えますが、たかだか2000円程度です。車検をディーラーやショップに預けている方もいるとおもいますが、日本車でしたらほとんどメンテナンスなんてしなくても車検はとおります。そもそもこの記事を読みに来ている時点で維持費を節約したい方だと思うので、維持費を抑えたいなら自分で整備道具を買ってネットで検索して車を維持するための最低限のメンテナンス方法ぐらいはぐぐりましょうそれができないならおとなしくディーラーの言いなりでお金を払いましょう。そのためのサービス料です。

貨物登録の流れ

車庫証明の取得

こちらは貨物登録には関係ないのですが、車両の名義を変更するのに必要です。
今回の場合下記書類を私が借りている駐車場の場所の管轄の警察署に提出しました。管轄警察署等は各県警によってホームページなどで公開されています。無い場合は直接電話して聞きましょう。

  • 自働車保管場所証明申請書(2通(警視庁は印紙がないので一枚下記も同様))
  • 保管場所標章交付申請書(2通)
  • 保管場所の所在図・配置図

上記3種類の書類は下記のページ内のXLSXファイルをパソコンで編集して提出しています。手書きである必要はありません。
保管場所証明申請手続

  • 保管場所使用承諾証明書

こちらに関しては要件(貸主、借主、契約日、契約満了日など)を満たしていれば駐車場の賃貸契約書等で可能な場合があります。
自分はいつも駐車場の賃貸契約書のコピーで申請しています。自分の契約書が使えるかどうかの確認は警察署に問い合わせてみるといいでしょう。

参考: 保管場所(車庫)の要件と使用権原書面

仮ナンバーの取得

今回通した車ですが、購入時にすでに一時抹消されていたため仮ナンバーを借りにいきました。こちらがないと車両を車検や車検整備のために回送することができません。
仮ナンバーを借りるためには自賠責保険の加入が必要なのですが、今回購入した車がすでに自賠責が切れていたため一か月だけ加入しました。貨物登録後に区分の違う自賠責になるため1ヶ月のみ契約にしました。こちらを通常通り24ヶ月等で入ってしまうと後ほど返金しなければいけない上に一部しか返金されません。
自賠責に加入したら最寄りの市役所や仮ナンバーの貸し出しを行っている支所等に向かい仮ナンバーの貸し出し申請を行います。このとき最大貸し出し期間が5日なので上記の車庫証明の発行と後ほど記載する事前審査が完了してから借りに行くのをおすすめします。

もし一時抹消等されている車両では無かった場合、一旦一時抹消をすることをおすすめします。理由としましては、自動車税等が月割りで返金される可能性があります。今回私の方では行っていないのでそのあたりの情報が知りたければ別途調べてみてください。

貨物登録の為の改造

貨物として認定される基準

まず自動車等はどのようにして用途ごとの検査基準を設けているかというと、国土交通省からの政令によって決められています。
道路運送車両法で定められているんじゃないのという疑問を持つ方がいるかと思いますが、道路運送車両法には大まかな内容しか書かれておらず、その内容の解釈などを別途政令で定めています。
時代によって自動車の技術などの入れ替わりは激しいのでこのような形態を取っているというのが建前ですが、結局は関係各所とよろしくやるための制度だと思います。
貨物自動車として検査に通すための基準は下記の様な内容になります。政令から抜粋して平易な表現に書き換えています。

  • 積載設備の床面積が1m2以上あること
  • 乗車設備の床面積より積載設備の床面積が大きいこと
  • 乗車設備の乗員重量より積載重量のほうが大きいこと
  • 物品を積み下ろしする開口部が縦横800mm*800mm以上かつ投影面積が0.64m2以上であること
  • 乗員と積載設備との保護仕切りがあること

※ 乗車設備とは2列目以降のことです運転席がある一列目は含みません

参考: 自動車の用途等の区分について(依命通達)

この政令に書かれていることの他NALTECが別途審査委事務規定というものを定めており、政令に書かれていない箇所に関してどう扱うかを明記しています。
国でも無い機関が勝手に法律、政令を解釈していいのかという疑問をいだきますが、節約のために飲み込みましょう。
下記が貨物登録するにあたって追加の条件となる規定です。不要な部分はカットしています。

第 4 章 自動車の検査等に係る審査の実施方法
4-17 貨物自動車の審査
4-17-1 用途の判定
(2)乗用自動車(車体の形状が箱型、幌型又はステーションワゴンのものに限る。)として認証を受けた四輪以上の指定自動車等及びこれらの自動車に対し「指定自動車等と関連」に区分される並行輸入自動車の乗車人員の携帯品の積載箇所は、用途区分通達における物品積載設備とは判断しない。
ただし、車体の形状がステーションワゴンのもの(ステーションワゴン以外の自動車であるが別添 3「並行輸入自動車審査要領」6.2.7.を準用した場合にステーションワゴンと分類できるもの又は幌型の自動車であって座席後方の幌が車両の最後尾附近まであるものを含む。)に限り、後部座席等の取外し(座席定員の設定が複数ある状態で認証等を受けたものについて、後部座席等の取外しを行った状態のものと同様な状態で認証等を受けたものを含む。)又は床面への格納固定を行い、これによってできた床面及び当該床面と連続した乗車人員の携帯品の積載箇所については物品積載設備とするものとする。

上記を要約すると下記の様になります。

  • 箱型、幌型、ステーションワゴンの最初からついてる荷物置き場は用途区分通達における物品積載設備とは判定しません。
  • ステーションワゴンもしくは並行輸入自動車審査要領6.2.7.を準用してステーションワゴンと分類できるものは座席の取り外しや収納などをしてできたスペースと最初からあった荷物置き場を合計して物品積載設備とみなす。

実際の改造箇所

上記要件を満たすために今回行った改造を書いていきます。

  • 物品を積み下ろしする開口部が縦横800mm*800mm以上かつ投影面積が0.64m2以上であること

こちらに関してはメジャー等で計って800mm以上あれば概ね問題ありません。この時荷室の高さではなく開口部の高さなのに注意してください。

  • 積載設備の床面積が1m2以上あること
  • 乗車設備の床面積より積載設備の床面積が大きいこと
  • 乗車設備の乗員重量より積載重量のほうが大きいこと

今回は2列目シートの右側を倒した状態で固定(NALTEC事務要領に格納固定とあるので固定が必要です)し荷室面積を増やすことにしました。
固定の方法ですが、ヘッドレスト用の穴にボルトをいれチェーンを繋ぎ座席の下にある座面を固定するストライカーとそのチェーンをつなげて固定しました。普通に考えたらすぐに外せてしまいますが、固定されている箇所が隠れているので、わざわざ検査員は座面を外してまで中をみないので、大体の場合は大丈夫だと思います。
もっとも外せると言っても一般的にはこの状態でも固定と言えると思います。

  • 乗員と積載設備との保護仕切りがあること

ここが最大の難関でした。100均などで売っている棚に使うような金網を買ってきて90度曲げて倒した座席の下に差し込みました。
検査を通す際検査官にボルトなどで固定していないと指摘されたのですが、その際自分はボルトで固定されていてもボルトを回せば外れるので構造的に優位な差はありませんよね?と返したところその検査官はブツブツと言いながらどこかに消え検査が無事通りました。
またそもそも保護仕切りに具体的にどういった固定方法が必要かなどは指定されてないので一般的なバンなどに付いているつっかえ棒のようなものでもいいはずです。
このようにNALTECが行う保安基準適合検査とは、検査官の恣意的な判断が多く検査当日は、実際の政令や理論をしっかり理解し検査官を言い負かせる様になっておいた方が良いです。
そもそもNALTECの職員は道路運送車両法にある通り基準適合性審査結果を書面をもって国土交通省に通知することとなっています。つまり道路運送車両と国土交通省政令に沿って作成された事務要領などに反する内容を審査結果に記載した場合虚偽有印公文書作成に当たる可能性があります事実過去に起訴猶予になりましたが、摘発事例があります。
そういった話をしても埒が開かない場合、検査処分に関しては行政行為の一部だと思いますので、審査請求等も手だと思います。

事前審査

令和元年10月1日からほとんどの車両で用途を変更する際に事前審査というものが必要になりました。

参考: 自動車技術総合機構からのお知らせ

今回の場合は下記のような書類を提出しました。書類自体はNALTECの事務所(検査ライン横にある小屋)でもらえますが、内容もわかりずらく職員によっては記入方法に関して教えてもらえない場合があるのでサンプルなどを用意しています。
書類が用意できたら、NALTECの事務所に提出しに行きます。審査の回答まで提出してから最大で15日かかります。ですので車庫証明などを発行してしまった場合早めに提出したほうがいいです。(車庫証明の有効期限は1か月程度)また自分の場合は書類提出した際に事前に車庫証明の有効期限が近いことを伝えると早く処理していただけました。

  • 新規検査届出書(第一号様式)(予備検査の場合は予備検査届出書)
    • 一枚目は登録情報から変更になる内容を記載します。
    • 二枚目はNALTECが配布するwindowsアプリケーションで作成できます。下記リンクからzipファイルをダウンロードしbinフォルダ内のInitPreEntry.exeを実行すると起動します。
      • 新規検査届出書第一号様式2
      • 入力する内容は実際に車両を測定するかメーカーに問い合わせて諸元表をもらえばできます。
      • 計算が要る部分に関しては、NALTECの事務所で重量分布計算書というものがもらえる場合がありますが、場所によって対応が異なる場合があるようです。ですので自動で計算するexcelを当方で作成いたしました。少しお値段すると思いますが、購入いただければ他の書類の記入方法に関してもお答えします。
      • 重量分布計算書
  • 登録識別情報等通知書の写し
  • 外観の形状及び寸法(長さ、幅及び高さ)が明確に確認できる外観図又は写真
    • 横からの画像に車両全長を記載
    • 前方からの画像に全幅を記載
    • 後方からの画像に全高と荷室の全高と開口部の高さ
    • 自分の場合は上記内容でした。明確な規定があるわけではなく各事務所によって異なる場合があります。
  • 保安基準各条項の技術的要件の適合性に関する書面

検査当日

検査当日までに下記を予約しておいてください。混んでない時期であれば検査当日でも予約は取れます。というか当日にいくつか枠が空いて予約が取れる様になります。
自動車検査インターネット予約システム

当日の流れですが、大まかには下記のようになります。細かいところは陸運局ごとに違うと思いますので、省略させていただきます。

  1. 検査受付書類を印刷するPCが登録事務所の検査受付窓口の近くに在るので、車検証のQRをスキャンして受付書類を出す
  2. 手数料納付書を中古新規で記載し、手数料納付窓口に提出し手数料を払うこの際検査とおらなかったら困るので、重量税は後で納付する旨を伝えるとよい
  3. 審査書類を提出した検査小屋で審査書類をうけとる
  4. 通常の継続検査レーンで検査を受ける
  5. 新規検査用のレーンで車重などを量る(この際スペアタイヤを外しておかないと重量で税金が高くなる場合があります(貨物は車両総重量税が2tn以上だと値段が上がる))
  6. 重量税納付書を記載し先ほど検査手数料を納付した窓口で重量税を納付
  7. 普通貨物で自賠責を加入する
  8. 一号様式を記入し、登録窓口に提出する
  9. 税申告書を記入し税申告窓口に行き書類の提出と月割り自動車税の支払いをする
  10. ナンバプレート窓口でナンバープレートを受け取る(元々のナンバーが付いている場合は外してから)
  11. ナンバープレートを取り付けし封印をしてもらう

まとめ

今回節税するために貨物登録を行いましたが、そもそも現在の税制はあまり受益者負担になっていなのではないかと言うような疑問やNALTECや警察組織の思惑ばかりで本当に安全な交通社会に寄与できるような規制になっていないのではないかなどの疑問が私の場合は残りますが、その辺り皆さんはどう思われますでしょうか。
行政手続きや政治、法律のプロではないのでブログの内容や私の考えに間違いなどあるかもしれませんが、その辺りどしどしコメント頂けると助かります。